– 表紙の印刷工程

表紙には活版印刷を用いています。ハンコを押すように金属製の版にインクを付け、版と紙に圧力をかけてグラフィックを紙に転写します。

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  亜鉛で作られた表紙の版

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  版を印刷位置に合わせて固定

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  紙の色に合わせたインクをローラーに伸ばす

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  印刷機の上段からボード紙を給紙

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  版にローラーでインクを付ける

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  版と紙に圧力がかかり、インクが転写される。

紙の凹凸やかすれ、かすかなインクの滲みによって、味わいのある質感に仕上がるのが活版印刷の魅力です。

– 本文の印刷工程

日本で現存しているのはこの一台のみという希少な罫引機を使って、本文の罫線は印刷されています。
罫引き印刷はステンレス製のリングを筒状に組んだローラーにインクを付けて印刷する仕組みで、版やインクを変えることで線の幅や太さ、色などを調整します。

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  四六版サイズの紙が一枚ずつ給紙

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  何本も張られた細い糸が、面で紙を支える

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  紙をS字状にくぐらせ、両面に罫線を印刷

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  直径4cmほどのリングで罫線を引く

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  排紙された紙が重なっていく

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  印刷の仕上がりをチェック

万年筆を使用。

一般的なノートの罫線は油性インクを使用したオフセット印刷でプリントされていますが、油性インクの罫線は万年筆などの水性ペンのインクを若干弾いてしまいます。ペンのインクを弾かないなめらかな書き心地のノートを作るには、水性インクで罫線を引くことができる罫引機が不可欠です。
また、有機溶剤を含む油性インクではなく、水が主成分の水性インクを使用することで環境への負荷を減らすことができます。

〈penco〉のブランドスタートからほどなくして発売されたリングノート。カバーデザインを変えながら約20年、同じ製法で作り続けています。
活版印刷や罫引機といった、古くから受け継がれてきた印刷機と、それらを扱う職人さんたちのものづくりの技術が詰まった、メイドインジャパンの一冊です。